アイドルを卒業したメンバーは「消えた」と言われてしまう

アイドルグループを卒業したタレントは、すぐに「消えた」「落ち目」「アイドル全盛期にはかなわない」「一人になると大したことがない」等言われてしまう。

しかし、消えただのなんだの言われているタレントが実際に今行っている仕事を見ると、同世代の他のタレントと比較してもそんなに悪くなかったり、悪くないどころか

むしろ上の方だという事が少なくない。

そもそも、トップアイドル程テレビや雑誌に出まくる存在はいないのだから、アイドルだった時代と比較して仕事が減る事は当たり前なのだ。

「大物」「トップレベル」と言われる芸能人でも、実はそんなに何でもかんでも片っ端から芸能界の仕事を一時期に集中してやっているわけではない。

俳優ならドラマや映画・舞台がメインでバラエティは番宣ゲストで出るくらい、

歌手は歌番組とライブがメインでバラエティはたまにでる、

芸人やタレントはバラエティがメイン。

モデルはよく名前が知られているような雑誌モデルの場合は雑誌メイン、

プラスアルファで人によるが俳優業やタレント業等他にメインの仕事が何かあるというパターン。

俳優が歌手もやっている、芸人や歌手が俳優業もやっている場合はあるが、

メインの仕事を行う傍らたまに歌手・俳優業なども行うというパターンである。

トップレベルの俳優・歌手・芸人でも一時期にバラエティも歌番組もドラマも全部出るという事がしょっちゅうあるわけではない。

ドラマに出てその主題歌も歌いバラエティにも出るというパターンはあるが、その状態が休みなくもしくはコンスタントにずっと続くという事はない。というか続けていたらそれこそ過労死するんじゃなだろうか。

 

しかしトップアイドルは、少なくとも歌番組とバラエティにはしょっちゅう出て、それにプラスしてしょっちゅうではないにせよドラマや映画にも出る。トップアイドルなら冠番組もある、雑誌の仕事も膨大な量のアイドル雑誌・その他テレビ雑誌ファッション雑誌等がある(表紙を飾る事も多い)、ラジオもある、握手会やライブ等イベントを行えば情報番組で紹介される。

これだけの仕事を1クールだけではなく年がら年中数年間にわたって続けるというのはアイドルくらいなものではないか。

これだ様々な媒体で露出があるのもアイドルくらいだろう。

トップアイドルは仕事量の面でもハードだし、苦手な仕事(バラエティの盛り上げは苦手とか演技は下手だとか)もせざるを得ないというストレスもある。

アイドル卒業でそのようなハードな生活から解放されて、モデル業メイン、バラエティメイン、俳優業メイン、歌手メイン等に切替えると、今度は「アイドルの頃より露出が減った、落ち目だ」と言われるのだ。

たまにドラマに出て同時期に歌番組に出てバラエティにも出るという歌手や芸人、俳優もいるが(例えば星野源とか柴咲コウとか…他がいまあまり思い浮かばないが)、そのような時期があった芸能人が今は歌だけやってドラマに出ないから、俳優だけやって歌番組に出ないからと「落ち目」や「消えた」と言われる事はない。

トップアイドルでなくなった後露出が減るのは落ち目ではない、当たり前のことだ。

アイドルをやめて売れなくなったから露出が減ったというよりは、何でもかんでもやらなくてはいけないトップアイドルという仕事が特殊なだけなのだ。